先日。
とある存在との邂逅にて。
「ここに、ひとつリンがあるといいですね。」
「ここにリンはありますか?」
そう、問われて、その時は、ないと答えてしまったのだが・・・。
☆
思いだした。
去年の夏に出会った、ガラスの江戸風鈴。
音色とその佇まいがすっかり気に入って・・・。
その音色の心地よさに幾度となく酔いしれた。
今も、その、気まぐれな風の即興が、わたしのこの筆が進むのを微笑んで見守っている。
今日は、生理の二日目で、下腹部が重い。軽い経の引きつれを感じ、ソファに腰かけて、両手で下腹部に手を当てていた。
いつしか、わたしは、風の即興に心を持っていかれ、ふと、気が付くと、まるで、この両掌が下腹部の違和感を吸い取るかのような感覚の中にいた。
と、当時に、下腹部の違和感は緩和され、わたしは手当をやめた。
そして、思い出した。
以前にもこんなことがあったなと。
それは、ある日の深夜。ふと、目覚めると、もうすっかり治癒していたと思っていた患部の痒みをともなう不快感に気が付いた。
すっかり忘れていたけれど・・・。心身が新しいバランスに移行する時。昔の症状が再現されることがある。
わたしは、夢見心地のまま患部に手を当てた。
すると、痒みをともなうその不快感が、どんどん軽減されていく。まるでこの手のひらが、その不快感を吸い取っているかのようだった。
その時の、この手の、ふくよかな感覚。
そうか、これが、受容ということなのだな、と感銘しつつ、そのままわたしは眠りに落ちた・・・。
☆
「リンはありますか?」
この会話には続きがあって。
「どんなリンがいいのですか?」と尋ねると、「あなたには、チベットや仏教系のリンはあわない。そうですね、ガラスかなにか・・・。あなたが、良いと思う音。心地よいと感じるものが良いですね。」
その時には、ガラス?と言われてもピンとこなくて、クリスタルボウルのこと(小さくてリンとして使えるようなものがあるのです。)かとも、尋ねたけれど、そうではないようだった。
そうだ。
こんなに美しい音色を奏でるガラスのリンがあったんじゃない、笑、笑、笑!!!
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