化粧品を買いに、とある店にやってきた。
以前、妹がそこで買った化粧品が良いというので、
わたしもそれにしてみようかと。
妹の審美眼はなかなかのもの。
しかし、いざ、その商品を見てもピンと来ない。
いやぁ、どうするかなぁ、となんとなくその店の端の方に歩を進めて、
なんとなく立ち止まると、目にはいった化粧品があった。
なんとなく気になる。
そばにいたスタッフさんが話しかけて来て、
その化粧品についていろいろ教えてくれた。
少し試させてももらったけれど。
わたしの心はすでに決まっていた。
実は、それを最初に観た時に、本当はもう知っていたのだ。
わたしはこれを買う、と。
ただ、少し。少しだけ。
頭の方がついていかないから、確認の時間がほしかっただけなのだ。
買うつもりだった化粧品を見ても、心が動かず。
思いもかけなかったものを見て、心が動く。
こういう「引力」を感じる時。
言葉にならない宇宙との会話のような気がして、
ワクワクする。